エンタの神様ことナガヤンによる快適なエンタメライフ提唱ブログ


by tube1998

ハートに巻いた包帯をゆっくり解く・・・そんな映画。

VS 包帯クラブ   星☆☆☆☆☆☆☆☆

at 新宿バルト9

 心の傷は人には見えない。しかも、見せるのは難しい。そういった傷の多くは、人に見せることもはばかられるような、辛い傷だったり、理解してもらい難い傷だったりするからだ。。だから、傷を自分の中に抱え込み、途方に暮れてしまう。。。人付き合いが希薄になった、現代においてはそういう傾向は増々強まっているのかもしれない。。

 この映画、「包帯クラブ」はオカルト映画ではない。。タイトルだけ見ると、そんな想像してしまう人もいるかもしれないけど。。学校のクラブ活動の一種と理解してもらえれば、ピンとくるだろうか?主人公のワラは、ひょんなことから病院の屋上で、奇妙な少年・ディノと出会い、”包帯”を使った不思議な景色を目の当たりにする。。

 それが”包帯クラブ”の始まりだった。。目的はただ一つ、人の心の傷に包帯を巻いてあげて、傷の手当てをしてあげること。。ワラのこの不思議な行為に助けられた、親友のタンシオは、知り合いのギモという男子浪人生も巻き込み、ワラに”包帯クラブ”の結成を持ちかける。最初は乗り気ではなかったワラだったが、ディノも参加することになり、活動を開始する。

 活動内容は実に明快だ。ネットで開設したHPに、投稿された”心の傷”の残る場所に出かけ、傷を象徴する物や場所に包帯を巻いて、写真を写す。そして、最後に投稿主に、それらの写真を送ってあげる。彼女たちの考えたメッセージを添えて。。当たり前のことかもしれないが、心の傷というのは目では見えない。だが、包帯を何かに巻きつける行為により、それらは仮の形を与えられ、はっきりと確認することができる。初めて自分の傷を、認めることができたのだ。
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 自分では直視できない傷に、誰かが包帯を巻いてくれる。そして、その傷の痛みを共有してくれる。。それを、偽善と呼ぶのなら、それも仕方ないかもしれない。しかし、僕らは世界中の人間とわかりあうことなど出来ないのだ。出来るとしたら、わかりあえると信じることだけ・・・。いつか何かの雑誌であゆが言っていた言葉だ。。胸にズシーンときた。。同い年の言葉だしね。。

 次第に増える、感謝の投稿。。また彼女たち自身も、仲間と共に自分たちが抱える、心の傷に包帯を巻いていく・・・。そんな中、ワラとタンシオは、かつて仲間だったものの、仲違いをして疎遠になっている、リスキとテンポを”包帯クラブ”に誘うが・・・。クラブ活動以外では、奇行を繰り返すディノの心の傷とは・・・?更に、”包帯クラブ”の活動が、思わぬ波紋を呼び、活動の継続が出来なくなり、部も解散の危機に!?・・・・といった具合に終盤に雪崩れ込みます。。

 僕は、この原作小説の大ファンです。。この映画化のニュースを聞いて、速攻で読みました。でも、読んで後悔・・・だってあんまり素晴らしい本だったから!この作品を、映画化なんて出来るわけない!と思ってね。。だって、県庁の星も、夜のピクニックも、原作を越えられなかったでしょ?今回も、原作が下手に汚されるくらいなら、映画にはしないで欲しいな・・・って。。

 でも、取り越し苦労でしたね。柳楽クンのディノは最高です!彼以外の配役は、考えられない!仲間といるときの明るさと、一人でいるときのナイーブさ、そしてエキセントリックな行動、言動の数々・・・。同じような役に、池袋ウェストゲートパークのキングという役がありましたが、そのときの窪塚洋介の演技を彷彿とさせました。彼にしか出来ない演技。また柳楽クンは一つ大人になったな・・・と。(池袋~も包帯~も監督は同じ堤幸彦氏)

 ワラ役の石原さとみさんも、ディノとの漫才のような掛け合いや、シリアスな演技での細かな視線の動き、台詞の感情の込め方・・・どれ一つ取っても、無駄がなかった。こちらも、劇中のイメージどおりです。欲を言えば、冒頭のナレーションは少し棒読み過ぎかな?他の出演者も皆、イメージ通り。特に、タンシオ役の貫地谷さんと、ギモ役の田中圭くんは、もう映画・ドラマに関わらず、必要不可欠な存在!水と空気くらい大切です!!

 長くなってしまいましたが、現代を生きる若者全てに観て欲しい・・・そんな作品です。そして観た方は、もれなく原作を読んで下さい!最後に、主題歌はなんでバンプのアルエじゃないの?だって”ハートに巻いた包帯”って歌詞が、この作品にドンピシャじゃん!今からでも、そこだけは代えて!お願い!監督!
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by tube1998 | 2007-09-16 13:13 | MOVIE